メタボリックシンドローム
肥満は成人病の原因だ!
肥満は贅沢病だ!
など、肥満を悪とみなす昨今。
そんなこたぁありません!!
肥満は人を救う事もあるのです。
そう、あれは中3の夏・・・
海で泳ぐ事が嫌いな僕は、仲のよかった3人組でいつものように山奥にある川に向かいました。
往路は片道3時間のサイクリング、しかも全て登り坂。
あの頃はバカだったので、めちゃくちゃキツイのに、そんなの気にしません。
逆に帰りの下り坂を楽しみにしていたくらいです。
しかし行く途中で降りだす雨。
普通なら帰ろうかと思うくらいの雨でしたが、やはりバカなので帰りません。
現地到着。
川も若干増水気味。
いくら夏とはいえ寒そうです。
でもやはりバカなので水に浸かります。
案の定、水に浸かって2分もしないうちに、みんなのクチビルが紫に変わりました。
いくらバカでもこれ以上留まる事はできませんでした。
誰かが帰ろう言い出し、それに反対するものは無し。
3時間かけて到着した場所を、わずか10分ほどで後にしたのです。
さて、後の楽しみはオール下り坂サイクリング。
往路3時間掛けて来た道を、30分弱で帰ります。
しかしその日は雨。
いつものように飛ばす事は出来ません。
なのに、やはりバカなので、いつものようにレースを始めます。
いつもと違う道を・・・
このルートを選んだ事が、後で大事故を引き起こすのです。
そのルートとは幸物から雪浦ダムに抜ける道。
地元の人なら分かると思いますが、めったに車も通らない道。
しかも道の両サイドに高い木が伸びてるので、1日中影になっており、湿気も多く、タイヤの乗らない所にはコケも生えています。
そんな道をおバカ3人組が奇声を上げながら高速で下っていったのです。
先頭はA君。
ちょっとメタボなその人は、体重を地球の重力に預けて加速して行きます。
続いてそのすぐ後ろを当時は細マッチョだった僕が追いかけます。
重力走法には敵わないので、必死でペダルを漕ぎます。
そしてかなり遅れて3番目にM。
コイツはレースとなるとかなり張り切るクセに、いざ始まるとノンビリ走る変なヤツです。
Mを置いてきぼりにし、高速で坂道を下る二人。
なかなかA君をとらえる事ができず、その差がジワジワ広がり始めます。
差が10m程広がった時にそれは起きました。
ガッシャーン!!
A君がコケでタイヤを滑らせて派手に転倒しました。
そう・・・コケでこけたのです○´艸`)プププ
一気に慌てる僕。
このままではA君をひいてしまう!
ここで長年培ってきた技で危険回避!
巧みなハンドル捌きとブレーキングにより、うっかりコケに乗ってスリップ。
そう、僕もコケでこけたのです○´艸`)プププ
A君に続いて派手に転倒した僕は、後頭部から地面に落ちていきました。
人生初の走馬灯です。
人は事故を起こした瞬間、スローモーションになると言いますが、ホントにそのようになったのです。
このまま行ったら後頭部強打で死ぬな・・・
そんな事をボンヤリ考えながらも地面はだんだん近づいてきます。
そして遂にその時を迎えました。
ボヨ〜ン
・・・ボヨ〜ン?
ボヨ〜ンの後にその勢いのまま半回転してうつ伏せ状態になっていました。
一体何が起こったのだろう。
なぜに後頭部が痛くないのか。
なぜにボヨ〜ンだったのか。
ふと我に帰ると目の前にはお腹を押さえて痛そうにしているA君。
大丈夫か?
慌ててA君に駆け寄ります。
派手に転んだもんなぁ、腹うったとか?
『・・・なんば言いよっとやぁ、・・・お前が腹に落ちてきたとやろが・・・』
なぬ?
・・・なるほど、それでボヨンか!
おかげで僕は擦り傷程度で済みましたが、A君は擦り傷と腹に打撲というケガを負いました。
すまんなぁ、A君
と謝っていたら、3番手を走っていたMが
なんばしよっとぉ?
と言いながら能天気に通り過ぎて行きました。
そのお気楽な後ろ姿を見た時、人生初の殺意が芽生えた事は言うまでもありません。
しかしながらあの時A君がもしガリガリ君であれば、どういう結果になっていたでしょう。
厚い脂肪に覆われていないお腹は、衝撃で骨が折れていたかもしれません。
そして僕は硬いお腹では衝撃を吸収できずに延髄損傷、もしくは頭蓋骨骨折・・・
やはりメタボは世界を救います。
いつかどこかで誰かが目の前で転んだ時・・・
僕は全力でお腹でその人を救いたい。
・・・と3年前から徐々に張り出して、今や立派な太鼓になった腹をさすりながら、そう思うのでした。
でもダイエットしてるのよん❤
この為に買った自転車に乗れない生活で、ストレスでリバウンドしそうです・・・・
あぁ・・・また太りそうorz